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インタビュー
Common Thread -想いを紡ぐ、CNPの人たち- #4-2
こんにちは! 中部日本プラスチック社(CNP)でインターンとして勤務している、Kaoriです。
CNPのキーパーソンにお話をうかがい、その「人」を通じて会社の魅力を探るリレーインタビュー企画「Common Thread -想いを紡ぐ、CNPの人たち-」
Tyler.さんへのインタビュー前半はご覧いただけたでしょうか?
今回は前回に引き続き、第4回Tyler.さんの後半部分をお届けします!
素材の声を聴き、最適化する。お寿司屋さんに似ている
―ものづくりにおいて、Tyler. さんがぶれずに持ち続けている価値観とは何でしょうか?
まず大前提として、「自分が欲しいか、人に勧めたいか」。そして、僕が好きなのは「お寿司」のような料理の作り方なんです。いい魚を仕入れて、素材をいじくり倒さず、いい道具で綺麗にさばいて、こだわりのシャリで握る。「はい、お待ち」と出す。ほとんど素材に手を加えていないですよね。
―その「お寿司」の考え方は、Tyler. さんのものづくりにどう繋がっているのですか?
僕にとっての「いい魚」は、「いい古着」や「いい素材」。その素材が持つ本来の良さを、どうすれば最大限に引き出せるか。それを考えるのが僕の仕事です。パッチワークのカラフルなカバンも、一見すると真逆に見えるかもしれませんが、あれはセーターを四角く切り、お寿司でいう「中落ち」をちらし寿司にする感覚。どう並べれば一番美しく見えるか、という素材の最適化なんです。
逆に、フレンチのように、調理を重ねて元の素材が何かわからなくしていくようなアプローチは少し苦手かもしれません。僕は日本人らしく、素材そのものの良さを活かしたい。その想いが、僕の創作の根幹にあります。
CNPとの出会い、そして未来への挑戦
―CNPで働くことに
なったのは、どんなきっかけだったのですか?
プラスチックという素材の可能性に惹かれたのがきっかけです。特に、ミッドセンチュリー期にプラスチックが可能にしたデザイン革命に魅了され、いつか再生プラスチックで眼鏡を作りたいと長年考えていました。でも、個人では全く実現の糸口が見つからなかった。
そんな時、知人を通じて雪下社長と出会い、その想いを伝えたところ、すぐに「できそうだよ」と様々な方面に繋いでくれたんです。そのクイックレスポンスに「この人はすごいな」と感動しました。コロナ禍で自身の環境を大きく変えたいと思っていたタイミングでもあり、工場のすぐ側でものづくりができる環境にも惹かれ、浜松に来ることを決意しました。
―最後に、デザイナーとしてこれから挑戦してみたいことはありますか?
個人の作品で自分の力量を見せつけたい、というよりは、「環境」や「場所」を作ることに関心があります。例えば、「再生プラスチックのホームセンター」。誰もがカインズホームで板材を選ぶように、当たり前の選択肢として可愛い模様の再生プラスチック板が買える。持ち込んだ廃プラスチックが、目の前で粉砕されて新しい資材に生まれ変わるのを見学できる。そんな場所があったら、すごく面白いですよね。そのインフラを更新していくことで、循環という考え方がもっと身近になる。僕がやりたいのは、そういう「みんなが利用できるシステム」のデザインなんです。
Tyler. さんの言葉の端々から感じられたのは、トレンドや言葉に流されることなく、常に自身と向き合い続ける、孤高の探究者の姿でした。CNPというフィールドで生み出すものは、単なる「製品」ではありません。
それは、素材を生かし、その価値を最大限に引き出すという、丁寧な手仕事から生まれる「作品」です。「アップサイクル」という言葉が当たり前になった今だからこそ、その本質を問い直す彼の視点は、私たちに新しい価値の在り方を示唆してくれているようでした。
次回のCommon Threadもお楽しみに!!
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