STAFF BLOG スタッフブログ
インタビュー
Common Thread -想いを紡ぐ、CNPの人たち- #4-1
Common Thread -想いを紡ぐ、CNPの人たち- #4-1
こんにちは! 中部日本プラスチック社(CNP)でインターンとして勤務している、Kaoriです。CNPのキーパーソンにお話をうかがい、その「人」を通じて会社の魅力を探るリレーインタビュー企画「Common Thread -想いを紡ぐ、CNPの人たち-」
第3回の荒川さんのインタビューに続き、第4回はデザイナーとしてCNPの新たな価値創造を担う、Tyler.(平 武朗) さんにお話を伺いました。
「アップサイクルという言葉が、まだしっくりこないんです」
Tyler. さんのものづくりへの思いは、深く、そして純粋な探究心に満ちていました。古着と音楽に熱狂した幼少期から自身の価値観を形成し、CNPという新たなフィールドで挑戦を続けるTyler. さんに迫ります。
「僕の仕事は、お寿司屋さんに似ている」
ー素材の声を聴き、新たな価値を創造する―
株式会社中部日本プラスチック
デザイナー Tyler.(平 武朗)
デザイナーを志したことはない。ただ、好きを追い求めた先に今がある
―Tyler. さんが、デザイナーという現在のキャリアを歩むことになった経緯を教えてください。
実は、自分からデザイナーを目指したことは一度もないんです。肩書きはデザイナーですが、今もあまり実感はありません。僕の原点は、幼少期に遡ります。実家には骨董品や古着が置いてあるような家で、自然と企業のマーケティングに乗らないような、古いものに触れる機会が多かったんです。
―どのようなものに惹かれていたのですか?
ファッションと音楽に同時に興味が湧き、レコードや古着など、企業マーケティングから外れた確かな価値を持つものに熱狂しました。大学進学で上京してからは、その探究心はさらに加速しましたね。学校に行く時間ももったいなくて、毎日お店が開く時間から閉まる時間まで、とにかく見て、可能な限り買う。そんな生活を10年以上続けていました。
―そこから、作る側へはどうやって移行したのですか?
膨大な量の”本物”に触れてきたので、目は肥えていたと思います。小説家がたくさん本を読んでいるのと同じ感覚ですね。ただ、憧れていたのはデザイナーというより、縫製工場の職人さんや靴職人といった「生産側の人」。作るための技術や文化そのものが好きでした。そんな中、卒業後にたまたま「ニットブランドを始めたい」という人と知り合い、デザインができるのが僕しかいなかった。だから、肩書きとしてデザイナーになった、という流れです。好きを追い求めていたら、いつの間にか作る側に立っていた、というのが一番しっくりくる表現ですね。
「アップサイクル」という言葉への探究心。本質は、もっとシンプルなところにある
―Tyler. さんの活動は、今でいう「アップサイクル」という言葉で表現されることが多いと思います。
正直に言うと、「アップサイクル」や「エコロジー」という言葉が、まだ自分の中でしっくりきていないんです。言葉のイメージが先行してしまい、本質的な魅力が伝わりにくくなる瞬間があると感じています。僕がやっていることは、音楽でいうところの「リミックス」に近い感覚です。
―もう少し詳しく教えていただけますか?
20年ほど前、世の中がモノで溢れかえっているのを見て、エルメスやコム・デ・ギャルソンのような偉大な先人たちと同じ手法でものづくりをしても勝てない、と思いました。それに、欧米文化に憧れるという価値観自体が、少し古い20世紀的なものに感じられたんです。「より多く、より高く、より広く」という価値観ですね。それならば、この余っているモノを循環させること、つまり古着を違う形にリミックスすることの方が、新しい時代の「かっこよさ」になるんじゃないか、と。それが結果的に、今「アップサイクル」と呼ばれているだけ。僕にとっては、たまたま一番身近で手の届く場所に「古着」という素材があった、という感覚なんです。
次回は、後半部分をお届けします!
PREV
インタビュー


